コリーニ事件 パッケージ












◆解説・感想
2019年公開 ドイツ映画。監督マルコ・クロイツパイントナー 出演エリアス・ムバレク 他。時間は2時間ほどで、前半1時間は展開がちょっと退屈かなあと。しかし後半は引き込まれていきます。コリーニという人物が殺人を犯しますが一貫して黙秘を続けます。殺人の動機が明らかになってから深く重いテーマが見えてきます

分かりにくい言葉が出てくるので簡単に説明します
(私もド素人なので正確性は乏しいですが、映画が分かる程度です)
・公訴参加・・・遺族は裁判に参加することができ、記録の閲覧や異議申立など一定の権利を得られます
・諜殺(ちょうさつ)・・計画殺人。殺意のある殺人
・故殺(こさつ)・・カッとなって殺人。諜殺より軽い
・パルチザン・・占領支配における抵抗する人々

◆登場人物
コリーニ事件 登場人物

◆ストーリー <ネタバレあり>
コリーニ事件 あらすじ<ネタバレあり>
2001年 ベルリン
コン、コン、コン、スイートルームのドアを叩く音
「中へどうぞ」
訪ねてきた人物を招き入れる
「どこの新聞社でしたかな?」
カチャ。冷たい鉄の音がした

ライネンは事件の弁護を担当することになった
被疑者はファブリツィオ・コリーニ
1934年 イタリア モンテカティーニ生まれ
30年以上ドイツ在住
被害者はジャン・B・マイヤー
頭を銃で撃たれ死亡
現場はホテルのスイートルーム、コリーニは逃げようともせず逮捕された
被疑者は黙秘を続けているが、銃の指紋、硝煙反応、血痕など証拠は十分だった
マイヤーが死んだ後も靴で顔を踏みつけ、非常に強い殺意を持っていた

殺害されたのはマイヤー機械工業の社長、通称ハンス・マイヤー
このことを知ってライネンはショックを受ける
”ジャン・B”では気づかなかったが、”ハンス”で気づく
なぜならライネンにとって、とてもよく知っている人物だった

子供の頃、ライネンはフィリップという少年と仲がよかった。
フィリップはハンス・マイヤーの孫だった。大きくなってからも仲はよかった
しかし、彼は事故で命を落としてしまった
ハンス・マイヤーにはもう一人、孫娘のヨハナがいた

ライネンにヨハナが会いにきた
若い頃、二人は恋仲だった
ハンス殺しの弁護をすることを伝えると、ヨハナは信じられないといった表情を見せた
「一度引き受けると言った。医者でも殺人犯を助ける」

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コリーニ事件 あらすじ<ネタバレあり>
ライネンにマッティンガー教授が会いにきた
ライネンは彼の講義にも出席したことがあり、名の通った弁護士だった
マッティンガー教授はマイヤー家の公訴参加代理人として挨拶しにきた

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ライネンはコリーニに面会するが、ライネンに対しても一貫して黙秘を続ける
動機も二人の接点も分からないままだった

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コリーニ事件 あらすじ<ネタバレあり>

裁判が始まる
コリーニは相変わらず黙秘を続ける
物的証拠、状況証拠どれをとってもコリーニには不利であった
このままだと諜殺罪が濃厚であった
今日は閉廷となった

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面会室
ライネンはコリーニにこのままだと重い刑になることを伝えた
「お父さんは生きているのか?」
初めてコリーニが口を開いた
「はい。フランクフルトにいます」
「なるべく会ったほうがいい。父親は永遠にいるわけじゃない」
口は開いたが事件とは何も関係なかった

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ライネンはマッティンガー教授から提案を受けた
会社など関係者は早期解決を望んでいる
コリーニに自白させれば故殺扱いにすると
このことをコリーニに伝えたが、それでも黙秘を続けた

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今回、殺害で使われた銃は”ワルサーP38”だと分かった
闇市場でもほぼ流通していない銃だ。なぜこの銃を使った?
ライネンはあることを思い出した

子供の頃、ライネンとフィリップはハンス・マイヤーの部屋へと忍び込んだ
本棚の奥に”ワルサーP38”が隠されていたのを見つけた

ライネンは動機を探る為、コリーニの生まれ故郷イタリア モンテカティーニに飛んだ
そこでコリーニに何があったか全てを知る

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ライネンはドイツに戻りコリーニと面会した
「1944年6月19日の出来事を知りました」
コリーニは動揺した

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開廷
ライネンは歴史家をよんだ
「ジョン・B・マイヤーは第二次大戦に?」
「その人物は1945年までイタリアにいました。武装親衛隊の将校でした」
もう一人、コリーニをよく知る人物を呼んだ
その人物が口を開く
「私の父はナチスで通訳をしてました。」
「その時の将校の名は?」ライネンが聞く
「ハンス・マイヤー」
続けて1944年のある夏の出来事を話した
コリーニ事件 あらすじ<ネタバレあり>

<ここから完全ネタバレです>



ドイツ兵2名がテロにより殺される事件が発生した
その時の将校ハンス・マイヤーは言った
ドイツ人が殺されたら10倍のパルチザンを殺す。協力者も殺す
適当に襲撃する場所を選んだ。その場所はモンテカティーニ
兵を連れすぐに向かった

町を襲い住民らを引きずり出した
一人の兵士が子供を引きずり出していた
「馬鹿者!子供はダメだ!」
ハンス・マイヤーが兵士を叱る
「名前は?」
「ファブリツィオ・コリーニ」
コリーニ事件 あらすじ<ネタバレあり>

ここでライネンはコリーニにすべて話してくれるよう声をかける
コリーニは頷いた
今まで話していた人物と軽く挨拶し、コリーニは証言台にたつ。そして語りだした

ハンス・マイヤーは私に聞いてきました
「父親は誰?」
私は指さした
すると父を拘束し連れて行きました
私の前で人々が銃殺されていきました
5人ずつ、一列に並ばされ、全部で20人
コリーニ事件 あらすじ<ネタバレあり>

30分の休憩に入る

休憩後、マッティンガー教授が口を開く
「戦時下の報復はドイツ軍以外でも行われていました。被害に遭った苦しみは想像を絶します。しかし、そのマイヤー氏が行った行為に対して自分でケリをつけず訴えるべきでした。それが正しい道だと思います。」
さらに続けて言う
「1968年にお姉さんと二人でマイヤー氏を告発しましたね。翌1969年、マイヤー氏に対する捜査は停止した。マイヤー氏に非はなく戦争犯罪は問えなかった。あなたは罪なき人を殺した」
ここでいったん閉廷となった

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面会室
ライネンとコリーニが向き合う
「告発が却下されたとき姉に誓わされた。私が生きている間はもう何もしないで。その姉は2か月前に死んだ。いったいなぜ却下されたんだ?何があったんだ?」
その言葉を聞き、ライネンは当時のことを調べることにした

1968年 秩序違反法に関する施行法 この法律が公布されていることが分かった
この法律を作るにあたり、マッティンガー教授が出席していることが分かった

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開廷
ライネンはマッティンガー教授を証人として証言台に立ってもらった
「コリーニは法治国家にのっとり告発したのに受理されなかった。その理由は1968年に施行された”秩序違反法に関する施行法”。起草者はドレ―アー博士。コリーニの告発が却下されたのはこの中の一文では?その文章を簡単にいうと”諜殺ほう助は諜殺でなく故殺になる”」
ライネンはマッティンガー教授に説明を求めた
コリーニ事件 あらすじ<ネタバレあり>
「今言ったように諜殺ほう助は諜殺でなく故殺として罰せられる」
「つまり?」
「今言っただろ」
「もっと分かりやすく。みんなに分かるように」
「戦争時の行為は時効となり訴追できなくなる」
「つまりこうゆうことですね。無差別の銃殺を行ったにもかかわらず、故殺扱いとなり時効が成立した」
「この法が出来た時は時代が違った」
「今ならどうです?コリーニの私的制裁は違法です。しかしマイヤーの不起訴は正当でしょうか?」

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(コリーニの回想)
父親が撃たれる番がきた。一列に並ばされる
「強くなる練習だよ」
ハンス・マイヤーはコリーニ少年に言う
父親が撃たれる。まだ息があった
ハンス・マイヤーは”ワルサーP38”を部下に手渡した
部下は父親の頭に向けて銃を放った
コリーニ事件 あらすじ<ネタバレあり>

(コリーニの回想)
スイートルームの中へ招き入れられ銃を取り出す
ハンス・マイヤーをひざまつかせ、額に銃を当てる
コリーニ事件 あらすじ<ネタバレあり>
「強くなる練習だ」
ハンス・マイヤーは悟り、目をつむり、受け入れた
撃った後、コリーニは泣きながら何度も顔を踏みつけた

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「これが法治国家ですか?」
ライネンはマッティンガー教授に問う
「違う」
「今であればマイヤーは戦争犯罪で起訴され有罪となりますね?」
マッティンガー教授はコリーニの方を向き頷く
「有罪となる」
「質問は以上です」
これで審理は終了した。明日判決となった

「ありがとう。弁護士さん」
コリーニはそう言って、ライネンと握手を交わした

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翌日
判決の前に裁判長から説明があった
「コリーニは昨夜、自ら命を絶ちました。次の結論に至りました。訴訟手続きは停止。これにて審理は終了します」

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後日
裁判所からライネン宛に封筒が届いた
一枚の写真が入っていた
子供の頃のコリーニと父親の写真だった
コリーニ事件 あらすじ<ネタバレあり>

~第二次大戦中、
 数十万人の民間人が”報復措置”で殺害された
 1968年
 いわゆる”ドレ―アー法”が可決
 この法律により
 無数の戦争犯罪者が刑罰をのがれた~

~おしまい~